感染症情報(今、流行している病気)67
【4月21日~27日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。
① 急性呼吸器感染症 43人
② 感染性胃腸炎 13人
③ アデノウイルス咽頭炎 3人、ヒトメタニューモウイルス 3人、伝染性紅斑(りんご病)3人
⑥ 新型コロナウイルス 2人
⑦ RSウイルス 1人、手足口病 1人、突発性発疹症 1人、インフルエンザB型 1人
今週からはじめて、「急性呼吸器感染症」という病名が加わりました。令和7年4月7日から感染症法の5類感染症に位置付けられ「定点サーベランス」の対象になりました。はすい小児科は大阪府から感染症発生の動向調査を依頼されているので大阪府に報告するだけでなく、皆様にもHPで公表します。はすい小児科では「38℃以上で咳あるいは鼻水があり、抗原検査で陽性がでなかった感染症」を主に報告します。 今週は百日咳の患者様はいませんでしたが、「百日咳の治療が困難になってきた!」という、深刻な話をします。百日咳の治療はマクロライド系の抗生物質(抗菌薬)「クラリスロマイシン」や「アジスロマイシン」が有効です。しかし、中国を含む諸外国では最近、マクロライド耐性百日咳菌が出現して脅威になっています。東京、大阪でもマクロライド耐性百日咳菌が何例もでています。つまり、今まで効果のあった抗生物質(抗菌薬)が効かないのです!!!耐性菌がでてきた理由はいろいろあります。「クラリスロマイシンを不必要に処方したこと(医者の責任)」が原因の1つです。このブログで以前から何度も説明していますが、「鼻水が黄色いだけで抗生物質(抗菌薬)を飲んではいけません!!!」厚生労働省が発刊した抗微生物薬適正使用の手引き、第3版でも「膿性鼻汁を認めるだけでは、原則、抗菌薬は不要である。」と明記しています。「黄色の鼻水に抗生物質(抗菌薬)は効果がないだけでなく、お子さんに耐性菌を増やすだけです。」昨年の秋~冬にかけて大流行したマイコプラズマ感染症も今まで効果のあったクラリスロマイシンが効かない、マクロライド耐性菌がかなり増えていました。百日咳菌、マイコプズマ菌の他、小児では大腸菌の耐性菌も増えています。お子さんの診療は小児科専門医の資格をお持ちの医療機関に受診されることをおすすめします。(話が長くなってゴメンネ❤❤)