感染症情報(今、流行している病気)56|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

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医療コラム

感染症情報(今、流行している病気)56|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

感染症情報(今、流行している病気)56

【2月3日~9日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。

感染性胃腸炎 25人

② RSウイルス 15人

③ インフルエンザ10人(A型 8人、B型 2人)、ヒトメタニューモウイルス 10人

⑤ 新型コロナ 2人、マイコプラズマ感染症 2人

⑦ アデノウイルス咽頭炎 1人、手足口病 1人、突発性発疹症 1人

今週も感染性胃腸炎の患者さんが多く来院されました。感染性胃腸炎の初期に嘔吐が数時間持続することがあります。「胃腸炎の吐き気を早く止めて、水分をとらしてやいたい!」保護者の方には切実な問題です。今週は「吐き気止め(制吐剤)は本当に効果があるのか?」について解説します。外来で処方できる吐き気止めの薬はドンペリドン(ナウゼリン®)メトクロプラミド(プリンペラン®)の2種類です。海外のいくつもの臨床研究では、2つの薬の効果は弱いか、プラセボと同じという結果でした。つまり、しっかりとした薬の効果は証明できませんでした。一方、副作用としてドンペリドン(ナウゼリン®)には下痢、腹部の疝痛、QT延長(不整脈)があります。メトクロプラミド(プリンペラン®)は9%の小児に錐体外路症状(ふるえ・こわばり・つっぱり等)をおこします。効果がはっきりせず、心配な副作用がでるので結論として吐き気止め(制吐剤)を安易に使用することはおすすめしません。昨年秋に刊行された「小児消化管感染症 診療ガイドライン2024」でも「小児感染性胃腸炎患者に対して、日本国内で承認されている制吐薬を投与しないことを提案する」と書かれています。ここでは全国の小児胃腸炎の専門家20人中、実に19人が制吐剤を使用しないように奨めています。10年以上前から、はすい小児科をはじめ、多くの小児科では制吐剤(吐き気止め)をほとんど処方しなくなりました。しかし、「お薬手帳」をみると制吐剤を処方する医療機関もまだ多くあります。副作用には十分気をつけてくださいね。

嘔吐がおさまるまでの2~3時間は無理に水分を飲まさずに様子をみましょう。嘔吐が少し落ち着いたら経口補水液(OS-1)を少量づつ(最初は10cc程度から)こまめに飲ましてくださいネ。半日以上水分がとれない、顔色が悪い、おしっこの量が少ないなどの場合は早めに医療機関を受診してくださいネ。❤❤