感染症情報(今、流行している病気)㊴|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

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医療コラム

感染症情報(今、流行している病気)㊴|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

感染症情報(今、流行している病気)㊴

【10月7日~13日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。

① 手足口病 27人

マイコプラズマ感染症 16人

③ 感染性胃腸炎 4人

④ ヘルパンギーナ 2人、アデノウイルス咽頭炎 2人

⑥ 新型コロナウイルス 1人

マイコプラズマ感染症年7月下旬から少しづつ増加し、今が流行のピークかもしれません。今週の人数を含めて、はすい小児科で診断した年間の患者数が80人を超えました。2016年以降、8年ぶりの流行です。新型コロナウイルスが流行後は年間、患者数が「0人」が何年も続いたので久しぶりの大流行です。マイコプラズマ感染症についてまとめて解説します。【症状】3歳以上、特に5~15歳のお子さんが感染します。乾いた咳と発熱です。発熱はインフルエンザのように39℃以上になるよりも、37℃台後半から38℃台が多いです。1日中持続せず、午前中は解熱していても夕方から上昇することが多いです。咳は3日目頃から急に強くなります。鼻水はあまり出ません。【検査】スポンジが付いた綿棒で喉(のど)をこすってマイコプラズマ菌の検査をします。15分で検査結果がでます。小児科専門医のクリニックで検査ができます。耳鼻科や内科・小児科の医院では検査キットがないので検査できないことが多いです。検査せずに症状だけで、マイコプラズマと診断するのはお勧めしません。【治療】抗生物質のクラリスロマイシンが特効薬になります。治療を開始して2日以内に解熱しますが、咳はなかなか治りません。1週間以上続きます。問題はマイコプラズマの耐性菌(クラリスロマイシンが効かない)です。次に詳しくかきました➡【一番、伝えたいこと】蓮井が小児科医になった頃、マイコプラズマ感染症は抗生物質を飲めば、ほとんど翌日に解熱しました。抗生物資が非常によく効きました。しかし、今は違います!耐性菌の場合があります!!今まで効果のあった抗生物質(抗菌薬)が効かないのです!!!特効薬のクラリスロマイシンを飲んでも2日以上熱が続くことがあります。抗生物質をさらに別の種類に変更しなければなりません。耐性菌ができた原因の1つは不適切な抗生物質の使用です。「熱だけ」「緑の鼻水だけ」のかぜ症状にクラリスロマイシン、トスフロキサシンなどの抗生物質を処方していた「ツケ」がでてきました。耐性菌はマイコプラズマ菌に限った問題ではありません。肺炎に関係する肺炎球菌、インフルエンザ桿菌などすべての細菌に耐性菌が存在します。ファロペネム、セフカペンピボキシル、セフジトレンピボキシル等の不適切使用も多くあります。小児の発熱の原因はほとんどがウイルスです。抗生物質は溶連菌、中耳炎の一部、マイコプラズマ等ごく一部にだけ必要です。実は、お医者さんも「耐性菌」について、ご存知ない先生が多いです!!「耐性菌?何も困っていないよ。」「困るとしたら、10年以上先の問題でしょ!」➡全部、間違いです。今、ものすごく困っています。このまま耐性菌を放置すると、がん患者の死亡数よりも多くなります。一般の皆様には理解しにくい問題ですが、今後もこのブログで発信していきます。