感染症情報(今、流行している病気)㉝
- 2024年9月1日
- 感染症情報
【8月26日~9月1日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。
① 手足口病 21人
② 感染性胃腸炎 10人
③ マイコプラズマ感染症 9人
④ RSウイルス 4人
⑤ 溶連菌 3人、新型コロナウイルス 3人
⑦ ヘルパンギーナ 2人、アデノウイルス咽頭炎 2人
⑨ インフルエンザA 1人、ヒトメタニューモウイルス 1人、突発性発疹症 1人 本日は「耐性菌」のお話しです:「耐性菌」とは抗生物質(抗菌薬)の不適切な使い方が原因で抗生物質(抗菌薬)が効きにくなった菌のことです。一般の方は「身近に感じられず、現実感がない」ため、理解しづらいかもしれません。「2019年の薬剤耐性菌感染症による死亡者は全世界で約500万人(うち直接死因が126万人)だった」と推定されています。どんな場合に耐性菌が怖いのでしょうか?→① 例えば、交通事故で大けがをした時、化膿した傷口に耐性菌のブドウ球菌がいると抗生物質(抗菌薬)が効かず、皮膚がふさがらない、発熱が持続する。最悪の場合、命にもかかわる。② 糖尿病や人工透析など免疫がおちている方が薬物耐性菌の肺炎にかかると効果のある薬がないため本来の病気ではなく、感染症のために命が危険にさらされる。③ 小児の場合も同じです。まだ、命にかかわるケースは少ないですが、尿路感染症の原因菌である大腸菌も耐性菌が増えています。また、マイコプラズマ菌に対する耐性菌が今後、増えていくかもしれません。耐性菌をこれ以上増やさないために一番大事な事は「不必要な抗生物質(抗菌薬)を処方しないこと!!」です。と、偉そうなことを書いていますが、私(蓮井)も10年程前まで「かぜ症状に抗生物質を処方していました。」本当に大反省です。