感染症情報(今、流行している病気)㉛|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

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医療コラム

感染症情報(今、流行している病気)㉛|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

感染症情報(今、流行している病気)㉛

【8月15日~8月18日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。

① 手足口病 9人

② RSウイルス 4人、新型コロナ 4人、ヒトメタニューモウイルス 4人

⑤ 溶連菌 3人

⑥ 感染性胃腸炎 2人

⑦ アデノウイルス咽頭炎 1人、突発性発疹症 1人、水痘 1人

国立感染症研究所の速報データによると7月29日~8月4日までの1週間、「マイコプラズマ肺炎」の定点あたりの報告数は「0.95」と5週連続増加しました。テレビで大きく取り上げていましたが、「0.95」とは、1つの病院で1週間にはぼ1名の患者数なので、まだ、それ程多い訳ではありません。しかし、5年以上、マイコプラズマの患者数は「ゼロ」だったので、これから秋に向けて流行するでしょう。潜伏期間が2~3週間と長く、5歳~中学生までに流行することが多い細菌感染症です。乾いた咳、発熱、倦怠感などの症状です。レントゲン写真で「大きな影」があっても比較的元気なことが多いので「walking (歩く) pneumonia (肺炎)」とも呼ばれます。問題は治療です。細菌感染症なので抗生物質(抗菌薬)が有効です。蓮井が小児科医になったばかりの頃、マイコプラズマ肺炎の患者さんにマクロライド系の抗生物質を処方すると一晩で熱が下がり、お母様も喜ばれ、ものすごく感謝されました。自分でも名医になったと何度も錯覚してしまいました。しかし、2000年代から「マクロライド耐性肺炎マイコプラズマ」が流行してきました。今まで劇的に効果があったマクロライド系(クラリスロマイシン)の抗生物質が効きにくくなったのです。熱がすぐに下がりません。耐性菌の出現です。原因の1つはマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)の使い過ぎです。不適切な処方が多くなりました。本来、かぜの処方にクラリスロマイシンは必要ありません。小児科専門医以外でお子さんを診察される先生へお願いです!!!→「少しのどが赤い」、「鼻水が黄色い」、「念のため」だけでクラリスロマイシンを処方してはいけません!!!他の抗生物質も同じです。処方しても効果はなく、耐性菌を増やすだけです。2010年代に耐性菌の割合が50%を超える年もありましたが、2018年には20%程度まで下がっています。現在、耐性菌であっても3日以内に解熱(すぐに解熱しませんが)することが多いので耐性菌であってもクラリスロマイシンが第一選択薬になります。今週難しい話でごめんネ❤