感染症情報(今、流行している病気)㊽
【12月9日~12月15日までの間】はすい小児科で診断した感染症の人数です。
① インフルエンザA 28人
② アデノウイルス咽頭炎 8人
③ マイコプラズマ感染症 7人、感染性胃腸炎 7人
⑤ RSウイルス 4人
⑥ ヒトメタニューモウイルス 3人、溶連菌 3人
⑧ 手足口病 1人、突発性発疹症 1人
インフルエンザが流行してきました。学級閉鎖している小学校も増えてきましたね。皆さん、インフルエンザの診断、治療のシステムは日本が世界で一番すぐれている!!とうことをご存知ですか。これはWHOでインフルエンザの委員を務めている菅谷憲夫先生がよく講演で話されています。欧米ではインフルエンザに感染しても、「stay home !(家にいなさい)」と言って直ぐに病院に行きません。よほど悪くなってようやく受診します。インフルエンザ抗原検査はどこの病院にもありません。入院してはじめて検査することもあります。そのため治療を開始しても時間がたっているので効果がよくありません。一方、日本では発熱すると数時間で病院を受診されます。検査が早すぎる場合もあります。陰性であっても可能性があれば翌日にもう一度検査します。インフルエンザ抗原検査はほぼすべての医療機関でできます。休日診療所でも検査できます。ほとんどが2日以内で診断がつくので治療が早く開始でき、効果も良好です。2009年に新型インフルエンザが大流行した時、日本のインフルエンザ死亡者が非常に少なく、世界から賞賛されました。特に、新型インフルエンザ感染による妊婦の死亡が一人もいなかったことに世界中のインフルエンザの専門家は驚きました。日本の恵まれた環境に嫉妬し、「日本には妊婦がいなかった?」という変な冗談を言うWHOの委員もいたそうです。しかし、すべての面で日本の医療が世界のトップではありません。遅れている分野もあります。予防接種は世界から取り残されています。例えば、おたふくかぜワクチンがまだ、定期接種になっていません。HPVワクチンを女性にしか接種していません(先進国では男性にも接種します)、等いくつも問題点があります。