感染症情報(今、流行している病気)㊼
【12月2日~12月8日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。
① インフルエンザA 24人
② マイコプラズマ感染症 16人
③ 感染性胃腸炎 14人
④ ヒトメタニューモウイルス 3人
⑤ 溶連菌 2人、手足口病 2人
⑦ RSウイルス 1人
マイコプラズマ感染症で心配な話をお母さんから聞きました:4歳のお子さんが2週前に別の病院でマイコプラズマと診断され、トスフロキサシン(オゼックス®:抗生物質)を処方されました。なかなか熱が下がらないので3か所、病院を変えたけど、どの医師にも「どうすることもできない!今の薬(トスフロキサシン)を続けるしかない!」と言われ、10日以上してようやく熱が下がったそうです。つまり、マイコプラズマ耐性菌に効果のあるトスフロキサシンにも効かない最強の耐性菌がててきた可能性があります。そのお子さんはトスフロキサシンをかぜの時によく、処方されていたとのことです。マイコプラズマ耐性菌に対する最後の切り札、最後の砦であるトスフロキサシンをかぜの時に飲んでいるとマイコプラズマに感染した時、効果のある薬がなくなってしまう可能性があります。
マイコプラズマの治療のまとめ。① 1980年代:抗生物質を飲めばすぐに、翌日には解熱しました。② 2010年以降:マイコプラズマ耐性菌がでてきました。クラリスロマイシン(抗生物質)を3日飲んでも熱が下がらない時はトスフロキサシンに変更すればなんとか1~2日後に解熱しました。③ 将来:最後の切り札であるトスフロキサシンでも効果がない最強のマイコプラズマ耐性菌の出現。現在、③に少しづつ近づいています。