予防接種|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

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予防接種

予防接種|はすい小児科|大日駅の小児科、アレルギー科

予防接種について

ほとんどのウイルス・細菌感染症は予防できません(インフルエンザと水痘だけは短期間、薬で予防できます)。ワクチンだけが唯一、感染症を防ぐ手段です。麻疹、風疹、おたふくかぜ、ロタウイルス、日本脳炎、ポリオ等ほとんどのウイルスに有効な治療薬はありません。しかし、ワクチンの効果は絶大です。細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが登場してから(2013年に定期接種)、細菌性髄膜炎はほぼ姿を消しました。ワクチンさえ受ければ防げる病気でお子さんの一生が台無しにならないように、必ず接種しようね。「お願いネ☆☆☆」

守口市、門真市、寝屋川市、四条畷市、大東市の方の定期接種が可能です。

任意接種は上記以外にお住まいの方でも接種できます。

予防接種外来は月曜、火曜、木曜、土曜の午後からおこないます。

接種希望日の前月1日から電話予約できます。(例えば48日が希望日ならば31日から予約可能)

生後2か月の初回ワクチンを接種する方、当院の診察券をお持ちでない方は電話ではなく、母子手帳を持参して直接来院して予約を取ってください。

推奨するワクチンスケジュール(リンク先)schedule_age7_202304_0209 (know-vpd.jp)

0歳児の予防接種スケジュール(リンク先)schedule_age0_202304_0207 (know-vpd.jp)

予防接種の全てが以下のサイトに載っています。わかりやすいスケジュール表もあります。是非、ご活用ください。

▼予防接種スケジュール表

当日にご持参いただくもの

  • 母子手帳
  • 予防接種の問診票(来院前に記入してください)
  • 健康保険証
  • こども医療証
  • 診察券

予防接種を受けられない場合

当日に発熱(37.5℃以上)がある方、前日に38℃以上あった方も当院では延期します。咳、鼻水があってもいつも通りの食欲と元気があれば接種できます。

川崎病などでガンマグロブリンを大量投与された方は6か月間、生ワクチン(水痘、MR、おたふく、BCG)は接種できません。1か月以内にけいれんを起こした方はご相談ください。全身麻酔の手術を予定の方は事前に主治医の先生とご相談ください。

当院のこだわり

一般診療の時間には接種しません。
ワクチン専用の時間帯で接種します。その方が発熱の方と接触することなく、安心です。土曜日午後にも予防接種外来があり、通学しているお子さんにお勧めです。

当院が接種プランを立てます。
「何から接種するの? 次は何をいつ接種するの?」
すべて説明します。「予防接種を忘れていたけど、今からでも間に合う?」「お金がかかるけど、本当に接種した方がいいの?」等、どんな質問にもお答えします。

本人以外の兄弟・姉妹の接種スケジュールや他医院で接種している方にも詳しく説明します(母子手帳が必要です)。

生後2か月の誕生日にワクチンデビュー

生後3~4か月頃までは、お母さんからもらった免疫がウイルス(一部)や細菌から体を守ってくれます。しかし、その免疫は少しずつ少なくなり、生後6か月頃になくなります。その頃が最も重症な細菌感染症(髄膜炎、敗血症)になりやすく、時には生命を脅かします。そんな病気から赤ちゃんを守るのがワクチンです。生後2か月になったらすぐに予防接種を開始して、その準備をしましょう。「スタートが肝心ですね。

絶対に受けたい任意接種

定期接種と任意接種のワクチンの違いは制度上だけで重要性は全く同じです。任意接種には費用負担があります。日本では任意でも海外では定期のワクチン(おたふくかぜ)、任意から定期に移行したワクチン(ロタウイルス、水痘、B型肝炎ワクチンなど)もあり、効果と安全性は十分に確認されています。稀ですが副反応がでた場合、補償金額が定期接種とは異なります。

尚、おたふくかぜワクチン(2回)、B型肝炎ワクチン(3回)、水痘ワクチン(2回)を受けていないと海外留学先から受け入れを拒否されることもあります。医師、看護師、薬剤師は言うまでもなく、放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・栄養士などの病院実習や勤務にも接種が必須です。

おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン:

1回目は1歳になったらすぐ、2回目は年長時(小学入学前の1年間)に接種しましょう。2回接種することがポイントです。副反応に無菌性髄膜炎がありますが、頻度は0.04~0.06%(1,600~2,300人に1人)で、自然に感染した場合はその20~200倍になります。
おたふくかぜは軽い病気と思われがちですが、髄膜炎・脳炎、難聴、精巣炎(男性不妊の原因になる)を合併することがあります。最も怖いのがムンプス難聴です。耳下腺の腫れが消失後1か月以内に発症し、高度の難聴のため障害を残します。治療法もありません。国立感染症研究所は年間700~2,300人のムンプス難聴が発生していると警告しています。

インフルエンザワクチン

6か月~13歳未満は毎年2回、13歳以上は毎年1回。流行の始まる10月から遅くとも12月末までに接種を終了しましょう。国内の報告ではA型の約60%、B型の約40%の発病を予防し、入院をA型で約50%、B型で約30%減らすことができます。ただ、予防効果がもっと高くなってほしいですね。

接種漏れが多い大切なワクチン

定期接種になったのが最近のため、中学生以上のお子さんに接種漏れが目立つのがB型肝炎ワクチンと水痘ワクチンです。まだ、間に合います。確実に受けましょう。ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは2013年から定期接種でしたが、すぐに積極的な勧奨を中止したので接種率は1%以下になりました。ようやく2022年4月から積極的勧奨に戻りました。以前、メディアで報道された副作用の内容には誤りもありました。専門機関のHP(日本小児科学会、厚生労働省)から、最新で正確な情報を基に判断しましょう。

B型肝炎ワクチン

以前は任意接種でしたが、2016年秋から定期接種(1歳まで)になりました。そのため、小学高学年以上では接種していない方がまだ、多くおられます。B型肝炎ワクチンの免疫は大人よりも小児期の方がよくつきます。世界の多くの国は生まれた直後(生後24時間以内)に1回目を開始します。蓮井は6回接種(20歳代と2年前に3回ずつ)しましたが、抗体(免疫)はついていません。

B型肝炎ウイルスは血液だけでなく、汗、涙、唾液、尿などからも感染します。稀ですが、保育所や大学運動部で流行した事例もありました。以前は輸血からの感染がありましたが、今はほとんどありません。日本では現在、年間に140~260人の急性B型肝炎患者が発症します。慢性化すると肝臓がんのリスクが高くなります。性的接触による感染が約7割を占め、20~30代前半に多くみられます。中学、高校生の皆さん。未接種の人はすぐにワクチンを受けようネ!

 ところで、法律事務所のCMに「B型肝炎訴訟」と言う言葉を見かけますが、B型肝炎ワクチンとは全く関係ありません。これは、昭和23年~63年までの間の集団予防接種の時、注射器を連続使用されB型肝炎を発症した方が国に損害賠償を求めている事案です。30年以上前から注射針は使い捨て(ディスポ)で共用することはありません。混同しないよう注意してください。

水痘ワクチン

2014年秋から定期接種(1~3歳未満の間に2回)になりました。小学生の高学年以上で接種漏れの方が相当おられます。「えっ、2回もいるのですか?」と言われるお母さんが多いですが、1回だけでは不十分です。成人になって感染すると重症になり、入院率、死亡率が急増します。大人になっても免疫を維持するため2回接種です。

 健康で元気なお子さんは合併症もなく、治癒することもありますが、患者さんの状態によって重症化や合併症の頻度が大きく変わります。新生児、免疫が低下している方(ステロイドや免疫抑制剤を内服中、抗がん剤治療中、移植後)、妊婦、思春期以降の方は合併症のリスクが非常に高くなります。命にかかわることもあります。入院中の患者さんが水痘を発症すると病棟が一時閉鎖したり、本人だけでなく他の人の手術も延期になることもあります。自分は軽症で治っても他人や病院に大きな迷惑をかけます。2回接種ですよ。

ヒトパビローマウイルスワクチン:HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

2022年4月から積極的勧奨(接種することを強く勧める)に戻りました。子宮頸がんは毎年約2,800人が亡くなっています。この人数は1年間の交通事故死亡者数を上回っています。20代から発症し、30~40代までの若い女性に多いのでマザーキラーともいわれます。2023年4月から9つの型のHPV感染を予防する9価ワクチンも定期接種に承認されました。このワクチンは約90%の子宮頸がんを予防し、効果も20年程度続くと言われています。「子宮頸がんの検診を受けるので予防接種は受けたくない!→それは大きな間違いですよッ!特に16型、18型の子宮頸がんは進行が早く、検診で見つかっても大きな手術になります。子宮を摘出するため妊娠・出産ができなくなるだけでなく様々な後遺症(排尿障害、足のむくみ)が現れます。

副反応について:HPVワクチン接種後に生じる多様な症状(頭痛、倦怠感、関節痛、目めまい、月経不整、失神、けいれん等)について多くの解析が行われました。ワクチン接種との因果関係はありませんでした。多様な症状は一般の非接種者(ワクチンを受けていない人)にも発症し、その発症率にも差がないことが証明されました。ワクチン接種後だけに起こるものではなく、厚生労働省のリーフレットには「機能性身体症状」という名称が使用されています。現在、接種後に何らかの症状が現れた方のための診療相談窓口が全国で100の医療機関(大阪府には4か所)に設置され、全ての都道府県に整備されています。また、各都道府県において衛生部局及び教育部に1箇所ずつ「ヒトパビローマウイルス感染症の予防接種後に生じた方に対する相談窓口」を設置しています。

小学校6年生から高校1年生の女子が対象で、2~3回接種します。「是非、接種してください。」はすい小児科のスタッフの対象年齢のお子さんは全員接種しました。

ワクチンに対する質問

(お母さん)「私(母)が子どもの頃はなかったワクチンを今、なぜ接種するの?」

(蓮井)「20年前に比べるとワクチンの種類もかなり増えましたね。ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを例に解説します。この2つのワクチンがなかった時代は悲惨でした。ヒブの細菌性髄膜炎が年間約600人、肺炎球菌による細菌性髄膜炎は年間約200人、お子さんに発症して、亡くなる方も年間50人近くおられました。今はこのワクチンのお陰で(2013年から定期接種)細菌性髄膜炎のお子さんは日本全国、ほぼいなくなりました。」「今のお子さんは恵まれていますね。」「これからも新しいワクチンがどんどんできたらイイね。」

(お母さん)「日本脳炎なんか、昔の病気でしょ。今も本当に必要ですか?」

(蓮井)「よくご存知ですね。第2次世界大戦後の日本国内では年間5,000人を超えていました。1954年から日本脳炎ワクチン勧奨接種が開始され、1990年代前半には年間10人未満に減りました。私も実際の患者さんを診たこともありません。ただし、これは予防接種の効果です。最初に発見(分離)されたのが日本なので日本脳炎の名称がついていますが、現在は東南アジアや南アジアで流行しています。日本脳炎ワクチンを導入した日本、韓国、中国は非常に減少しましたが、接種していない国ではむしろ増加しています。WHOは毎年約68,000人の日本脳炎患者発生し、約13,600~20,400人が死亡していると推計しています。それでは日本にいれば安全か?そうではありません。ウイルスを持つ蚊がブタを吸血し、ブタの体の中でウイルスが増殖し、その血液を吸血した蚊にヒトが刺されて感染します。ブタの日本脳炎ウイルス抗体陽性率(感染している)は九州、四国では80%以上の地域もあります。つまり、日本脳炎ウイルスは日本国内でもまだ蔓延している状況です。

誰も診たことがない稀な病気をこれからも、ずっと診ないままにするのもワクチンの役割です。

(お母さん)「ワクチンで免疫を無理につけるのではなく、自然に感染して免疫をつくりたいのです。」

(蓮井)「『自然』という言葉はとても穏やかな印象を受けますが、病気に関してはとても、とても恐ろしいことです。ウイルス・細菌を甘く見てはいけません!!!

「まず、感染しても免疫が完全につかない場合もあります。肺炎球菌を例にお話しします。肺炎球菌は100種類以上の血清タイプがあります。その1つのタイプに感染しても他のタイプの免疫はできません。つまり、肺炎球菌の重症感染症に何回もかかることがあるのです。その点、ワクチンなら特に感染リスクの高い13種類の肺炎球菌の免疫が一度につきます。非常に合理的です。」「麻疹、水痘は一度感染すれば確かに強力な免疫がつきますが、肺炎、脳炎の合併症をおこして入院だけでなく、命にかかわることもあります。」「予防接種率が低かった昭和の時代に小児科医になった私(蓮井)はそんな患者さんを多数経験しました。。。」「注射1本受ければ予防できた病気で命を落とすなんて、こんな辛いことはありません!」「あッ、すいません、ついつい興奮してしまいました。」「(ニコニコした顔に戻って)お母さんの考えだけで判断しないで、小児科の先生に気軽に相談してね。♥♥」