小児科(一般診療)
小児科(一般診療)
「発熱が3日以上持続すれば〇日に受診してください。」
「ゼイゼイしているので3日後も受診してください。」
「明日も発熱あれば、紹介カードをもって〇〇病院を受診してください。」
「このまま37.4℃以下が24時間続けば、〇日から通園できます。」等です。
症状がよくならない、専門病院で詳しい検査が必要、小児科以外の先生の診察が必要、そんな時は紹介状を書いて受診先に連絡します。
「まだ、まだ『はすい小児科』に来てネー。」
本音を言いますと「かぜ診療」は本当に難しいです。ほとんどが自然に治るウイルス性疾患ですが、時に重症な細菌感染症が紛れ込んでいることもあります。受診までの時間が早いと症状が出そろっていないことや、症状が刻々と変化することもあります。診断にはかなりの経験が必要です。特効薬がないにもかかわらず「早く治したい」という保護者の皆様が納得する病状説明が必要です。
特別な治療薬はありません。特に1歳未満のお子さんは副作用がでやすいので、おすすめしません。薬でかぜが治るのではなく、自分の免疫で治しています。
抗生物質はかぜ(感冒)の症状短縮やその後におこる細菌感染症の予防に効果ありません。不要な抗生物質を処方しないことが重要です。効果があるのは溶連菌、マイコプラズマ菌、百日咳菌、中耳炎の一部だけです。効果がないだけでなく、耐性菌が増えて深刻な問題になっています。このまま、不適切な処方を続けると将来、がんよりも耐性菌で死亡する人が多くなると言われています。政府も2016年から「薬剤耐性対策アクションプラン」をつくり、適正使用(かぜには抗生物質を処方しない)に取り組んでいます。
デキストロメトルファン(メジコン®)、チペピジン(アスベリン®)などがあります。どちらもプラセボより有効性を示したデータはありません。
抗ヒスタミン薬が処方されます。花粉症には効果がありますが、5歳未満のかぜ(感冒)には有効性の証拠はほとんどありません。特にペリアクチン®、アリメジン®、ポララミン®、セレスタミン®等は眠気やけいれんを誘発するリスクがあります。安易な処方は好ましくありません。
ホクナリンテープ®、ツロブテロールテープ®は気管支を広げる薬で気管支喘息の治療薬です。咳止めの薬と勘違いしている方が多くおられます。今までに喘息と診断されたことのないお子さんにテープを使用するメリットはほとんどありません。むしろ咳の悪化、手の震え等の副作用のリスクもあります。ご注意ください。
体温を正常にもどすのではなく、機嫌をよくして水分がとれるように、眠れるようにするために使用します。アセトアミノフェン(カロナール®)、アンヒバ座薬®を使用します。通常は38.5℃以上で使用しますが、水分がとれて、いつも通りの機嫌で遊んでいれば無理に使わなくてもよいです。痛み止めにもなるので頭痛、喉の痛みにも使用できます。座薬と内服の効果はほぼ同じです。
熱型表を皆様に渡します:
発熱がある方には「熱型表」または「熱型ノート」を配ります。(写真を添付)。熱は客観的に病状を知るために非常に重要です。自宅で最低1日3回、体温を測定して記入してください。忙しいお母さん方には面倒な作業ですが、グラフにすると何日の何時から何度の熱があったかが一目瞭然です。咳や鼻水などの症状も記入してください。血液検査、迅速検査の結果は当院で記入します。病気の経過がよくわかり、正確な診断につながります。問診(家での状態)は診察と同じか、それ以上に重要です。困るのは「家内に言われて連れてきましたが、よく知りません。」と言われることです。他医院や救急病院を急に受診する時にも役立ちます。
是非とも熱型表を記入してね! ☆☆はすい小児科からのお願いね☆☆
もし、熱型表を忘れた場合はスタッフがもう一度書き直しするので安心してください。
好ましくない診療 | おすすめの診療 | |
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抗生物質(抗菌薬)の使用 |
好ましくない理由:抗生物質を何度も内服すると耐性菌(本当に必要な時に効かない)が増加し、非常に深刻な問題になっています。下痢、発疹等の副作用もあります。 |
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咳・鼻水止め・痰切り、解熱剤の使用 |
好ましくない理由:2歳未満は副作用がでやすいので注意が必要です。 |
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大切なこと |
好ましくない理由:病状・今後の見通し等の説明が優先です。 |
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夜間のお子さんの急病時、病院の受診に迷ったら#8000をご利用ください
(開設時間:19時~翌朝8時まで、365日対応)
今まで飲んでいた薬、使用していた薬を知ることは非常に大事です。当院以外でおこなった検査結果、「お薬手帳」、「母子手帳」は必ず持参してください。