感染症情報(今、流行している病気)㊺
【11月18日~24日】までの間、はすい小児科で診断した感染症の人数です。
① マイコプラズマ感染症 11人
② 感染性胃腸炎 9人
③ 溶連菌 4人、インフルエンザA 4人
⑤ RSウイルス 3人
⑥ ヒトメタウイルス 2人、アデノウイルス咽頭炎 2人
⑧ 手足口病 1人
私(蓮井)はこのブログで耐性菌をよく話題にします。理由はこの問題が国家プロジェクトして扱われている程、重要な問題ですが、一般の方にはあまり馴染みがないからです。日本政府は2016年から薬剤耐性菌(antimicrobial resistance : AMR)対策アクションプランをつくっています。世界では2016年に約70万人、2019年では127万人が薬剤耐性菌で死亡したと報告されています。このまま対策をとらないと2050年(もうすぐですよ!)にはがんの死亡者を上回り1,000万人が耐性菌でなくなると言われています。小児の経口抗菌薬(口から飲む抗生物質)の使用量はAMR対策アクションプランが開始され、18.7%減少しました。成果はすこしづつでていますネ!11月は「薬剤耐性対策推進月間」でさまざまな取り組みがおこなわれています。その1つが薬剤耐性(AMR)あるある川柳です。全国の医療関係者、一般の方から応募があり、本年で8年目です。過去の受賞作を紹介します。第1回、金賞受賞作品「耐性菌 増やす一言 念のため」➡解説:黄色の鼻水だけ、のどが少し赤いだけで念のために抗生物質(抗菌薬)を飲むと耐性菌ができやすくなります。本当に必要な時に効果がでなくなります。第7回、金賞受賞作品「ただの風邪 抗菌薬の出番なし」➡解説:抗菌薬とは抗生物質のことです。第7回、銀賞受賞作品「抗菌薬 推さない医師に いいね押す」、第7回、いいね賞受賞作品「かぜ症状 抗菌薬はガセ情報」。小児で抗菌薬(抗生物質)が必要な病気は「溶連菌、中耳炎の一部、マイコプラズマ感染症、細菌性の気管支炎や肺炎、尿路感染症」等、限られています。